キクチ・ヒサシ

文化と芸術を言祝ぐ『コトバの塔』

コトバの塔

コトバの光と夜

2017/07/23

コトバの夜とは沈黙のことであり、空間、白紙、コトバの背景にあってコトバを存在させる力である。コトバの光と夜は、合わせて一体であり、その一体は見えない。これを透明な光と呼ぶ。沈黙がなければコトバは生じることが出来ず、白紙がなければ言葉は見えない。コトバのレベルでも、言葉のレベルでも、それは夜を必要とする。光は夜なしには存在しない。夜が光を支える。光と夜はお互いに離れられない。本来一体のもので、その一体を名付けて、透明な光とわたしは言う。透明な光は見えないが、それはコトバの光と夜になり、こうして今、言葉となって、行間の白い部分や背景(夜)に浮き上がる星のように連なって現れているのをわたしたちは見る。古人が夜空の星を眺めて、天体の運行に、大いなる存在の物語を読み込もうとしたように、わたしたちは、言葉を手がかりに、透明な光の運行を読み込もうとする。わたしたちは言葉を読んでいるつもりでいるが、本当に読んでいるのは言葉として現れる前のコトバであり、そして、コトバを生んだ透明な光の力動である。

透明な光から、コトバの光と夜が生まれ、言葉の光と夜が生まれる。わたしたちは、透明な光を源とするコトバ、そして言葉を、星の光同様に放ち、交流させ、銀河を創造し、運行を保つ。言葉の使用において、この本質に適うように努めることを、光モードに入るとわたしは言う。闇と口にする時さえ、光の音色が美しく響くように意図する。それは生活者として夜に夢を見る、この夢モードに対しての光モードである。星から放たれて進む光と同じように、生命から放たれて進む光を音楽的に響かせることを意図するから、光モードである。わたしが書いているこの言葉の光と夜、それを生んだコトバの光と夜、それらの源であり見えない光、つまり透明な光が、あなたの透明な光に射しこみ、混ざり合い、回転し、宇宙の本質と響き合い、音楽となって銀河創造の一部を担う。

「寿の書 Ⅱ光モード」

dream

-コトバの塔