キクチ・ヒサシ

文化と芸術を言祝ぐ『コトバの塔』

「小説・物語」 一覧

舟が流れていく

2024/01/10   -小説・物語

 図書館の中を歩いていたの、とミホが語りだす。キッチンの小さなテーブルに右頬をぴ ...

夏目漱石の夢

2024/01/10   -小説・物語

 目覚めたのかどうかにも気付いていなかった。暗闇の中、上半身がベッドに起きていた ...

三十の夜に起きたこと

三十の夜に起きたこと

2016/12/05   -小説・物語

  三十歳。その年齢が節目なんて本当でしょうか。派遣会社で契約社員とし ...

創刊、内的宇宙出版の本、好評発売中。

2016/12/05   -小説・物語

内的宇宙出版の本をご紹介します。   クリスマスに降る夜[Kindle ...

ゲーテ「ファウスト一部」(1808)上昇の前兆としての下降。

2016/11/30   -ゲーテ

ゲーテの「ファウスト」を手に取ったことは何度かあったが、初めて真剣に対峙してみた ...

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」カムパネルラからジョバンニへ。賢治の内的自伝、詩人誕生神話。

2016/07/26   -宮沢賢治

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」(1924-31)は、幾度なく改稿を繰り返しており、完 ...

短編小説「前田龍のはなし」note公開

2016/06/29   -note

「喜びにも悲しみにも、花はわれらの不断の友である。花と共に飲み、共に食らい、共に ...

読者に頂いた感想を掲載します。どうもありがとう。キクチ・ヒサシ短編集「その他の物語」長編「話の途中」の感想

2016/06/20   -読者感想

わたしの短編小説集「その他の物語」の感想を頂きました。関東にお住まいのSさんです ...

「スマイル」と「七人のガールフレンド」(2007)

スマイル 図書館で知り合った女と付き合うようになって三週間が過ぎていた。 彼女は ...

「深夜公園の音楽会」(2008)

深夜十二時。男はギターを背負い、アパートの近くの公園まで歩いて行った。 公園に入 ...

「坂田の失恋」(2007)

坂田が失恋した。 それで正午にカフェで待ち合わせて、二人でビールを飲んだ。 「好 ...

「坂田のお好み焼き」(2007)

友人の坂田とお好み焼き屋に行った。 焼きそばとネギ焼きを頼み、焼きあがるまでの間 ...

「線、言葉、物語」(2007)

僕は線を描いた。 線を描いた僕は線の中に消えた。 線を描いた僕は消えて、線になっ ...

「まもる君の家出」(2008)

まもる君が心療内科に連れていかれたのは、家出を失敗した翌日のことだった。小学校か ...

「夜と星」(2010)

夜、アパートのドアを閉めるときに、躊躇することがある。目を見開くと、閉めかけたド ...

ドストエフスキー「白夜」(1848)人類全体で育てているイメージの世界

2016/05/30   -ドストエフスキー

ドストエフスキーの「白夜」(Белые ночи)を読んで、しばらく経ったので何 ...

谷崎潤一郎「猫と庄造と二人のおんな」(1936)

2016/05/23   -谷崎純一郎

谷崎潤一郎の「猫と庄造と二人のおんな」を読んだ。文庫本を持ち歩き、色んな場所で、 ...

夏目漱石「こころ」(1914)

2016/05/20   -夏目漱石

夏目漱石の「こころ」を久しぶりに読了した。「こころ」は原稿用紙換算、およそ五百枚 ...

サン=テグジュペリ「星の王子さま」(1943)

サン=テグジュペリ「星の王子さま」は、砂漠に不時着したパイロットと少年の対話を中 ...

「陽射しからあなたへの物語」(2011)

ねー、不思議だよね。夢を記録している話はしたっけ?してないね。さっき疲れて寝てた ...

中上健次「岬」(1975)

2016/05/15   -中上健次

中上健次の「岬」を読了した。この文庫本には、四つの短篇が収めてある。「黄金比の朝 ...

夏目漱石「坊っちゃん」(1906)

2016/05/15   -夏目漱石

夏目漱石の「坊っちゃん」を読んだのは、中学の頃だった、と思う。よくは覚えていない ...

シェイクスピア「お気に召すまま」(1599)

2016/05/15   -シェイクスピア

シェイクスピアの「お気に召すまま」(As You Like It、1599年)を ...

松本大洋「GOGOモンスター」(2000)

2016/05/14   -松本大洋

松本大洋の「GOGOモンスター」を初めて読んだ2000年、私にはこの作品に分から ...

「川端康成文学館とピカソと楽譜」(2007)

川端康成文学館 文学館に入ると年配の女が1人座っていた。足元に電気ストーブを置き ...